9月21日(木曜日) 晴れ

・ 8:30 [千歳] 新千歳空港

晴天の予報も、千歳に降り立つと空は曇って暗かった。しかも気温10度。 ちょっと不安になったが、すぐに良くなるだろうと思い直し、 さっさとレンタカーの手続きを済ませて出発する。3年目ともなると手慣れたものだ。 思ったよりも時間に余裕があったため、 最終日に予定していた早来の社台スタリオンステーションへ向かうことにする。 これで最終日はかなり融通が利くようになったぞ。よしよし。

コンビニで買ったおにぎりや肉まんをほおばりつつ、 ちょっと遠回り気味に30分ほど走る。 牧場見学ツアー初体験の やまもと は車窓の景色に 「うわあ牧草地ばっかり」と感激の様子。 まだまだ、この先はこんなもんじゃないっすよ。

・ 9:30 [早来] 社台SS


スペシャルウィーク

社台で見学できたのはトウカイテイオー、スペシャルウィーク、 フサイチコンコルドの3頭。スペシャルウィークを生で見るのは、 現役時代を含めて初めてだ。さっそくデジカメに収めていった。 あとの2頭は去年も会ってるし、申し訳ないが「見るだけ」。 デジカメのメモリ容量が少ないの。

…いやいやもう1頭いた。エアジハード。奥の方にいたから気が付きにくい。 ツアー初体験組の やまもと と まつまつ の方に目をやると、ふーん、 なるほどね、といった様子で馬を見ている。競馬場とはまた違った、 馬を見る楽しさを感じてもらえただろうか。一通り堪能したあと、 おみやげ店をちょっと冷やかして出発。

・ 10:30 [門別] ブリーダーズSS


サッカーボーイ

アフリート

続いて車を南へ走らせ、門別のブリーダーズスタリオンステーションへ。 ここにはイーベルツェーンという馬がいるのだが、 そんな名前は聞いたことがない。この秘密兵器の素姓をさぐるべく、 しげき が牧場の方に訊ねてみると、あっさり「アテ馬です」との答え。 なあんだ、と疑問が氷解したところで、 みな思い思いの馬とまったりした時間を過ごすのであった。

一年前に来たときと比べると、サッカーボーイのような新顔や、 スリルショー・アスワンのように見かけなくなった馬もいたが、 アフリートは相変わらずグイッポばかりしているし、 ニホンピロウイナーはやっぱりいつもの場所で眠そうに立っている。 何も変わっていない。ここだけ時が止まっているかのようだ。 一年前じゃなくて一ヶ月前に来ていたような錯覚に襲われながら見学を進めた。 この頃になると日が照りだして、気温もぐんぐん上昇しているのがわかった。

・ 12:00 [静内] 市街/ふるさと案内所

見学を終えると昼になったので静内まで行く。 途中、門別と新冠の境では突如カーナビから、 「日高は競走馬の産地で、日本の8割を生産し…」と 勝手に案内が流れ出してびっくりさせられた。けっきょく我々は毎日2回、 その地点を通過することになるのだが、そのたびに案内が流れるのであった。 やまもと は「『日本』の8割を生産するんかい!」とツッコミを入れていたが。

静内市街でラーメンを食べたあと、 競走馬のふるさと案内所で情報収集にあたった。 旅行前にある程度はWebで調べていたものの、それと食い違う情報が若干あったので、 やはり現地での最新状況の把握が欠かせない。

・ 13:30 [静内] マツケン農場


フレッシュボイス

午後の最初の訪問はマツケン農場。本当は2番目に訪問する予定が、 道に迷っているうちに、先に見つけてしまったのだ。 ここにいるフレッシュボイスは、主宰ゆーたろ が競馬を始めた頃の活躍馬だ(と思う)。 そんな思い出深い馬と対面してご満悦の主宰。 かたやフレッシュボイスも、訪問者が珍しくて喜んでいるのか緊張しているのか、 そわそわしている。そして訴えるような目でこちらを見たり、 しきりに馬栓棒のひもをくわえて引っ張ったりしながら、哀愁を漂わせるのであった。 そんな目で見ないでくれ。帰れないじゃないか。

・ 14:00 [静内] へいはた牧場


レガシーワールド

別れがたい思いを断ち切り、続いてレガシーワールドのいるへいはた牧場へ。 牧場のおばあちゃんに「去年も来たんですよ」と言うと、 「年に何べんも来る人がおって、そういう人なら顔を覚えることもあるが、 あとはわからん…」そりゃそうだ。もらった人参をレガシーに食べさせる。 我々以外に人はいない。ユメケイバーズとJC馬とポニーだけの時間が流れる。 まったりしていいなあ、と やまねっち。確かに毎年来たくなる牧場の一つだ。 おばあちゃんによると、先代の老ポニーがこのあいだ亡くなって、 それ以来レガシーがひどくグイッポするようになったそうな。さみしいのだろう。

・ 15:00 [静内] アロースタッド


ロイヤルタッチ

タマモクロス

タイキシャトル

この日の最後はアロースタッド。二十間道路案内所で申し込みをしてから 見学開始。ここは厩舎から顔を出すのを眺める方式なのだが、 去年までと違って、馬たちがあんまり顔を出してくれない。 特にロイヤルタッチはずーっと引っ込んだままだ。なんとか顔を見ようと、 多くの見学者がロイヤルタッチの馬房の前で粘っている。 そしてわずかの間、顔を出した瞬間を逃さずシャッター音の嵐。 ここまで人気のある馬だとは思わなかった。

一方、比較的露出度が高くてなかなかサービス精神旺盛なタマモクロスは、 かなり熱心なファンと見受けられるおばちゃんに「タマちゃん、タマちゃん」 と呼びかけられて、まんざらでもない様子。そのおばちゃんは、 牧場のおじさんに「ぜひタマちゃんにGI馬を出してほしい」と 願かけの絵馬を手渡していた。 その傍らで毎年恒例のタマちゃんとのツーショットを撮る主宰。 そんなこんなを見ているうちに、あっという間に1時間が過ぎてしまった。 今日はここまで。

・ 17:00 [門別] 日高ケンタッキーファーム / とねっこ湯

それから我々は門別へ引き返し、 宿となるケンタッキーファームでチェックインを済ませたあと、 近くの「とねっこ湯」で一日の疲れをいやした。 夕食はケンタッキーファーム内でジンギスカン。 飲んで食べて、キャンプファイヤーで青春してる集団を横目に部屋に戻って、 みんなでオリンピックを見ながらまた飲む。ただ、朝が早かったし、 翌日も早起きしなきゃならなかったため、日付が変わる前に切り上げて床に就いた。 予定以上に見学できたし、なかなか幸先良いスタートだなあ、 と思う間もなく眠りに落ちていた。


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